NC−20 20mCWトランシーバー

完成したばかりのNC−20
私にとって初めてのアメリカ製QRPトランシーバーキット、NC−20を作りました。これは北カリフォルニアのQRPクラブ、Norcalが世界限定500台リリースした14MHzモノバンドCWトランシーバーキットです。
主な仕様は、ヨーロッパの混信にも絶えられる高ダイナミック・レンジの受信部、シャープな4ポールクリスタルフィルター、高安定VFOとモールス符号で周波数をアナウンスするAFA(Audible Frequency Annunciator) などです。
アメリカのQRPerがどんな回路設計をするのか、非常に興味があるところでした。作り上げた感想は、回路がユニークでありながら日本のキットメーカーのものとは比べ物にならない完成度で、作って楽しめ、使って楽しめる、すばらしいものでした。
仕事が忙しくて、受け取ってから3週間はなにも出来ませんでしたが、出張中マニュアルを読んでおいたので製作は非常に楽に進みました。この、マニュアルも懇切丁寧で、これを通読すれば、作り上げたときの不満は出ない、とまで言い切れるものです。
製作はブロック毎に進める形で、各ブロックごとにファンクションテストができるようになっています。私は、何を隠そう、最初の電源部から引っかかってしまいました。キットに同梱されていた5Vのレギュレーターのレギュレーションが良くなかったのです。これはすぐに日系メーカーのものと交換しました。
次に問題だったのはAFA部分です。マニュアルではVFOの動作確認後、AFAで周波数の確認をするようになっていましたが、肝心のAFAが作動しないため、確認作業に手間取りました。
仕事も手につかず、しばらく作業をストップしていたのですが、問題要因を絞り込んで先に進む作戦をとることにしました。具体的には、DC電圧の確認、クロック用の100kHzのクリスタルの動作確認、およびVFOの発振周波数の確認です。
私は、駐在期間でもあり、こちらでは測定器がないのを工夫でカバーすることを楽しんでいるので、ちょっと一工夫してみました。VFO出力は5MHzなので、1/4に分周すればAMラジオで聞けるのでは?と思ったのです。
それで、下の写真にもありますようにプログラマブル分周器を作り、VFO出力を入れて聞いてみました。信号確認には自家製のRFプローブを使いました。予想通り見事に信号が聞こえました。
ちょうど、1260kHzにKOITがあり、これで5040が確認出来ました。お陰で、VFOの周波数には自信をもって次のブロックに進めます。
後は、勢いで毎晩少しずつ作業を進め、その間にAFAの不具合をNC−20の設計者であるAD6Aとメールでやり取りして、ちょうど完成した翌日に交換用AFAチップが到着。
差し替えてみると、すごくFB.なんだ、チップのせいか!とほっとしました。
完成当日の3月21日、11:10AM 14.057MHz (AFAにて!!)NC−20でデンバーの局と559−599で1stQSO。ちなみにアンテナは、前日の昼間に7MHzの逆Vの下に14MHzのエレメントを張っておきました。7MHzのアンテナではあまり聞こえなかったのが、これでがんがん入感するようになって大満足です。それにしてもPIXIE2のときといい今回といい、リグ完成の後のアンテナ工作の速さには我ながらあきれました。海から帰ってきて、お昼までの1時間で2バンド対応にしました。セパレーターはストロー、エレメントは針金ですが、いつものおまじないをしてあるのでばっちり動作。私の辞書にはSWR無限大という言葉はない!と言いきってしまいましょう。まだ、調整はしていませんが聞こえかたからするとまーまー動いているでしょう。
で、その後は使いやすいように改造や実験の繰り返し。
まず、AFAとTICKからの出力抵抗を100kに変更。これで、ピーピーうるさいのを心地よいレベルに調整出来ました。
次に、AF部のLF353オペアンプを変えてみました。私はJRCのNJM2122Dという超ウルトラローノイズオペアンプ(1nV/Rt(Hz))が手に入りましたので試してみました。ノイズの出方が若干変ります。少し静かになるだけなのに、高級機の雰囲気になりますね。他にNJM5532DDなども試してみましたが、これが一番FBでした。
VFO部のアンプはCMOSに変えてみても、特性の変化無し。上手くサチュレーション部を避けて使っているのを再確認しました。
次に、受信部のマッチング回路を一つずつ見直しています。L1側のCが入りきっているのを発見したので、受信部の同調回路のピークにこだわってCを可変して実験中。毎日感度が上がっています。おかげでJAががんがん聞こえるようになってきました。ちょうど今朝もJAが10局くらい聞こえました。最初は7MHzに比べてJAが遠く感じましたが、ここまで感度が上がってくると非常に近く感じます。JAのみならず、W1の局が物凄いエコーを伴って(すなわちロングパス)入感したり、EUもUゾーンもVKもとにかく何でも聞こえます。
出力も5Wあるので、これなら簡単なアンテナでもWACくらいは楽勝でできてしまいそう!?なカンジがします。これもPIXIE2で鍛えた感性か??まずは、ヨーロッパがやりたいな。
実は、いま、ものすごいいいアイデアがあって実験中。もう少しで皆さんに公表出来そうなんですが。ヒントはDX運用に関する改造です。ケースの加工をするまでに出来るかな?詳細に乞うご期待!!
NC−20を製作中に作った小物の例。上は15Vのプリンタ用アダプタから12Vを生成する電源アダプタ。5W運用が可能。下はVFO調整に使った分周器。ゲートの発振回路もついていて各種実験に使えるため、近々ケースに入れる予定。